木のおはなし

木の豆知識

アカマツ 【赤松】 別名雌松。幹が曲がりやすく、枝も太いため大きな生節が多い。年輪がはっきりしており、板目はくっきりと美しい。辺材と芯材との境目がはっきりとせず、肌目 は粗く、ヤニが多い。曲がりに強いため、梁などの横架材に向いている。木目を見せて床の間や上り框などにも使われている。
カラマツ 【唐松】 別名落葉松。辺材は白色、心材は赤褐色で、その境界や年輪は明瞭。枝が多いため、小節も多い。天然の年代物は『テンカラ』と呼ばれる高級材。肌目は粗くヤニが多い。針葉樹の中では重く割れやすい。土台や柱、屋根下地材などに向いている。
クロマツ 【黒松】 別名雄松。アカマツと性質が似ており、同様の使い方をされる。アカマツは山地に、クロマツは海岸近くに多い。
サワラ 【椹】 辺材は白色、心材は黄褐色で、境目は明瞭。木目はまっすぐで、落ち着いた風情の肌目を持つ。香りはほとんど無い。加工性は桧に勝り湿気に強く、風呂桶としても使われる。板材、建具に使用されることもある。
スギ 【杉】 日 本の建材として古くから使われ庶民に親しまれてきた木材。幹がまっすぐで加工しやすく丈夫。木目が明瞭で、早材と晩材の堅さに差があるため、月日とともに 早材が落ち込む傾向がある。軽く脂気があり清々しい香りがする。心材と辺材の差が明瞭で両方が混じったものは、その色(赤と白)から『源平』と呼ばれる。 用途は広く、柱、貫、垂木などの構造材から、障子や襖、雨戸などの建具、天井、床、外壁まで様々に使用される。
ツガ 【栂】 関西方面で『栂譜情』という言葉もあり、良材は高級材とされる。ほとんどが天然物。別名トガ。木目はおおむね、まっすぐで、肌目は粗く、節も出やすい。堅くて丈夫。その木目の美しさも手伝い、長押、敷居、鴨居などや構造材にも使われる。
ヒノキ 【桧】 古 来より最高の建築材として名高い高級材。独特の香りと趣のある光沢を持ち、加工性も良く表面仕上げは極めて美しい。木目は薄く辺材は極淡黄色がかり、心材 はほんのりとした赤みを帯びる。乾燥性が良く、狂いが少なく、乾燥性が良い。さらに腐りにくく耐久性にも優れている。現在では、柱をはじめ、土台、内部造 作、建具などに幅広く用いられている。
ヒバ 【翌檜】 別名アスナロヒノキ。針葉樹。心材は極めて腐食しにくく、ヒノキ以上の耐水性を持つ。特有の香りを持ち、殺菌性の成分を含むため虫害にも強い。木目はまっすぐで肌目は細やか、加工しやすく、仕上げも美しい。耐久性の高さから土台から建具まで全般的に使われる。
クリ【栗】   心材の耐水性が突出しており、腐りにくい為、土台に最適とされる良材だが、現在はあまり市場に出回らない。年輪ははっきりしていて肌目は粗く、重厚で粘りがある。加工性はやや難しく割れや狂いが出やすい。
ケヤキ 【欅】 国産の広葉樹の中でもっともすぐれた良材のひとつ。木目は密で美しい艶があり丈夫。耐水性も高く腐りにくい。内装材から構造材まで幅広く使えるが、高価なため、床の間など『見た目重視』の場所に使われることが多い。
サクラ 【桜】 サクラは、花を見るだけでなく建材にも使用できる。朱色っぽい独特の色彩を持ち、硬く摩擦に強いため敷居や鴨居などに使われることが多い。
タモ 【?】 別名谷地?。辺材は淡黄白色、心材はくすんだ褐色で境界は明瞭。木目はまっすぐで、肌目は粗い。強くて粘りがある。美しい木目を活かし床材・内装材・家具などに用いられる。
ナラ 【楢】 北 海道や東北、北陸で産出されるミズナラ(水楢)が有名。心材はくすんだ褐色で辺材との差は明瞭。鎭目で【虎まだら(トラフ)】【銀杢】などと呼ばれる独特 の美しい文様が出る.木質は重硬で加工しにくいが、仕上がりは良い。床材・窓枠・ドア・階段手摺・家具など、その美しさを活かした広い用途がある。
コクタン 【黒檀】 熱帯アジア産。材質は黒色で硬く、磨くと美しい光沢が出る。高級家具などに使用される。
シタン 【紫檀】 熱帯アジア産。材質は赤紫色で硬く、家具材などに珍重される高級材。
スプルース 【Spruce】 別 名ベイトウヒ。スプルースには数種類があるが、日本でスプルースといえば『シカト・スプルース』のこと。アラスカヒノキの名もあるが、エゾマツの仲間。肌 が細かく、軽く、加工性も良い。日本では障子などの建具や鴨居、敷居、出窓の甲板などにも使われる。また集成材の芯材や化粧板にも用いられる。
ベイマツ 【米松】 洋明ダグラスファー。北米産の松科ドガサワラ属の針葉樹。辺材は白く心材はオレンジっぽい赤。アカマツとよく似た木目を持つ。強度もアカマツと同程度あり、太い木材も採れるため梁に多く使われる。また、家具・床材・ドア枠・階段などにも使用される。
ホクヨウカラマツ 【北洋唐松】 別名ラーチ。重く、硬く、強く、耐水性があって腐りにくい。水廻りにも向いている。木目はまっすぐで、肌目は粗い。地面に埋める基礎杭材や足場材などに使われてきたが、最近では住宅の梁や桁、土台などにも使われている。また針葉樹構造合板としても輸入量が増えてきている。
ベイスギ 【米杉】 洋 名ウエスタン・レッド・シーダー。別名カナダスギ。北米産の針葉樹。耐腐食性、耐候性に優れており、北米では屋根材など風雨にさらされる場所などにつかわ れている。軽く柔らかいため木材にしやすい。日本では造作材や建具として用いられている。強い香りがあり、加工のさいにアレルギー反応をおこす人もいる。
ベイヒバ 【米翌檜】 洋 名イエロー・シーダー。別名アラスカシーダー。香りと色がヒバに似ているためベイヒバと呼ばれているが、実はヒノキの仲間。カナダヒノキという別名もあ る。肌目は細かく、かなり堅くて弾力性もあり、加工性もよい。耐久性も高く、虫や腐りにも強い。柱、土台、造作材に適し、最近では神社仏閣の建築にも使わ れる。